ラプラスの魔導士

ラプラスの魔導士

02-24 別れと旅立ち

「ピョートル伯爵、こんな私にまだ用があるのか?」「この状況で何もないわけないだろ……」 バーストン公爵たちが退出した応接間で、ピョートル伯爵は降格が決定したベルトランド伯爵をこの場に残す。彼女がメイドにコーヒーを用意するように伝えると、大き...
ラプラスの魔導士

02-23 カナ・C・バーストン

「はぁ……はぁ……」 息が苦しい。「はぁ……はぁ……うぅ……」 もっと空気を吸いたいのに、口を開けようとするだけで胸が痛む。「――! ――!」 聞き取れないけど、この声は多分朝に来てくれた看護師さんだ。目を開いているのか、閉じているのか分か...
ラプラスの魔導士

02-22 聖女と日常へ

誘拐されたカナを救出してから一夜が明けた。ピョートル伯爵邸で朝食を済ませたアキトたちは、エントランスに集まってイイを倒した女性と対面する。「紹介する。彼女は俺の仕事仲間で――」「ルーメリア・グリムです。ラディウス法国で冒険者をしています」 ...
ラプラスの魔導士

02-21 50年越しの激情

「先ほどの威勢はどうした。若造ども!」 魔力で赤く染まった毛皮【猩々緋】は、障壁による高い防御力と身体能力の強化を与える。そんなコッチ男爵が巨体を振り回して大暴れするには屋内は狭く、壁が破壊されたことを契機に戦場は屋外へと移る。「アキト、ロ...
ラプラスの魔導士

02-20 如月ユースケ

「ユースケ、俺は仕事行くからな」「うん、行ってらっしゃい」(おい、ノロマ! 1時間前には出社しろって言っただろ!) ボクは引き籠りだった。「ただいま。もう、メシは食ったのか?」「先に食べたよ」(仕事できねえのに、なに昼飯食べてんだよ!) 新...
ラプラスの魔導士

02-19 断ち切られた支配

「チェーンバインド……ユースケさん!?」 ステルス魔法で潜伏していたはずのユースケが、コッチ男爵の指令を受けてチェーンバインドを放つ。彼の手の先で光る赤色の魔力を起点にして、2本の鎖が両端方向に伸びていく。(それにこの数、いつの間に使えるよ...
ラプラスの魔導士

02-18 裏切りの刃

「カナさん、コッチ男爵……2人は一体どこに?」「だけど変だぜ。外と比べて中の警備がザル過ぎる」 別荘の中へと侵入できたアキトとロッシュは、誘拐されたカナとコッチ男爵を探し回る。襲ってくる誘拐犯の一味と遭遇しては蹴散らしているが、その数が少な...
ラプラスの魔導士

02-17 策謀の渦中へ

アキトたちがピョートル伯爵邸で準備を進めている頃、ベルトランド伯爵はグリドリンを謹慎させている郊外の別荘を訪れていた。「お待ちしておりましたよ、ベルトランド伯爵」 そこには誘拐されたはずのコッチ男爵が堂々と居座っており、誘拐犯の領兵と武装し...
ラプラスの魔導士

02-16 カナ誘拐事件

貿易都市リオールのピョートル伯爵邸では、深夜にもかかわらず明かりが灯されていた。警備員たちが慌ただしく動き回っており、そこには事態を聞きつけたシンも合流する。(ケビンと手分けしてエーデルクラウトを迎えに行かせたが、どっちも間に合うか?)「狼...
ラプラスの魔導士

02-15 慟哭の果てに

「ふわぁ~」「お、やっと起きたか。調子はどうだ?」「ちょっとだけ、頭がふわふわしている」 骸魔術師を倒した後、拠点に使っていた廃墟の一室でアキトが目を覚ます。精神波を受けた時の湧き上がる感情は収まったが、夢を見ているような奇妙な浮遊感が残っ...